こんにちは。
パーソナルトレーナーの豊田優也です。
今回は「SOAPとHOPSを用いたセッション構築」について解説していきます。
「SOAP」と「HOPS」は医療機関で用いられる手法です。
パーソナルトレーナーもセッションの中でこれを用いる事で、クライアントが抱える悩みをより鮮明にし、改善のための具体的なアプローチが立てやすくなります。
私もセッション中は必ずこのSOAPとHOPSという手法を用いる様にしています。
本記事を読む事でセッションの枠組みが構築しやすくなるかと思いますので、ぜひ参考にしてみて頂けたら幸いです。
■SOAPとは
SOAPとは医療分野で用いられている、患者の経過を記録するための記入形式の1つで、「Subjective」「Objective」「Assessment」「Plan」の頭文字を取ったものです。
「患者が抱える問題やそれに対しての医師や看護師の所見、改善のための具体的な解決アプローチが明確になる」というメリットがあります。
医療機関だけでなく、トレーニングセッションの中でもSOAPを用いる事で、クライアントの悩みを解決するための道筋をスムーズに構築する事ができます。
SOAPの詳細は下記の通りです。
S(Subjective data):主観的情報
クライアントの発した言葉、主訴。
「腰が痛い」「なかなか痩せられない」など
O(Objective data): 客観的情報
専門家による検査。クライアントの行動、表情、専門的な検査データなど。
「姿勢の左右差」「食事調査」など
A(Assessment): 評価
SとOの情報に基づいた専門家による評価、判断、考察。
「骨盤後傾」「カロリーオーバー」など
P(Plan): 計画
評価に基づいた改善計画、具体的な行動プラン。
「リリース&ストレッチ」「トレーニング」「カロリー管理」など
トレーニングプラン(Training Plan:TP)とクライアントへの教育計画(Education Plan:EP) を立てることが重要です。
■HOPSとは
HOPSは、「傷害・疾病に関する情報を記録するために用いる手順」のことで、「History」「Observation」「Palpation」「Special test」の頭文字を取ったものです。
トレーナーのセッションの中では、SOAPの「O(Objective):客観的情報」の中で用います。
これによって、クライアントが口頭で話した感覚的な情報を、より具対的な数値や指標でチェックする事ができます。
具体的な指標がわかれば、それに対しての評価や改善アプローチも適切なものになります。
HOPSの詳細は下記の通りです。
H(History):問診
クライアントへの質問。
主訴のきっかけや期間などの詳細。
O(Observation):視診
専門家が目で見て確認する。
全身の状況、アライメント、炎症症状、左右差、動作癖(立癖や座り癖)、表情など。
P(Palpation): 触診
専門家がクライアントに触れて確認する。
姿勢のずれ(PSISとASISの高低差、ヤコビー線の左右差、肩峰の左右差など)、筋肉の拘縮度合いの差、筋肉の大きさの差など。
S(Special test):整形外科的テスト
専門的なテスト。
関節可動域の確認(自動・他動)、徒手筋力検査(MMT)、各傷害の部位、原因を特定するための特異的検査方法など
■SOAPとHOPSを用いた具体的なセッション例
SOAPとHOPSという両方の手法を用いる事で、より明確なセッションプログラムの構築が可能になります。
今回は簡単に、「腰が痛い」という主訴を持ったクライアントに対しての例を載せてみます。
1.主観的情報(S)を確認する
例:「腰が痛い」
2.客観的情報(Obj)を集める
・問診(H)
「いつから?」「どんな時に痛む?」「痛みの強さは?」など
・視診(Obs)
「矢状面、前額面の姿勢」など
・触診(P)
「ASISとPSIS、ヤコビー線の高低差」「臀筋、ハムストリングス、腹直筋の拘縮や大きさの左右差」など
・整形外科的テスト(S)
「SLRテスト」「Kempテスト」など
3.「S」と「Obj」に基づいて評価(A)する
・慢性的腰痛
・矢状面チェックにて「フラットバック」
・ASISとPSIS高低差は左側が1横指、右側は0.5横指で骨盤後傾
・SLR左側80°、右側75°でエンドフィール(soft)。痛みはなし
・Kempテスト陰性
SLR、Kempテストいずれも陰性。坐骨神経の圧迫ではなさそう。
骨盤後傾の修正のアプローチを行う。
4.計画(P)を立てる
TP(Training Plan)
リリース&ストレッチ→大殿筋、ハムストリングス、下腿三頭筋、腹直筋
トレーニング→腸腰筋、脊柱起立筋
EP(Education Plan)
・骨盤後傾修正の必要性の説明
・リリース2種目、トレーニング1種目の宿題
■パーソナルトレーナーがSOAPとHOPSを用いるメリット
お客様の悩みに対する改善策が具体的になる
「腰が痛いお客様には股関節のストレッチをしよう」といった何となくのアプローチではなく、「右側の骨盤がより後傾しているので、原因筋であるハムストリングの施術と拮抗筋のトレーニングをしよう」といった様に、より具体的で効果的なアプローチが可能になります。
また、改善策が明確にできていれば、クライアントにご自宅で行っていただく宿題も、しっかりとした理論を持って説明することができます。
これによってクライアントのお悩みをより早く解決することに繋がります。
カルテのテンプレートができる
SOAP、HOPSの手順でセッションを構築できれば、それに沿ってカルテを記入する事ができます。
これによってセッションのPDCAが回しやすくなる他、後から見返した時にも「現状の課題」「解決のためにやるべき事」などが振り返りやすくなります。
また、別のトレーナーが担当する時にもカルテを見るだけで、お客様の情報を瞬時に把握する事できます。
■まとめ
- SOAPとは医療機関のカルテ記入の際に用いられる手法で「Subjective data:主観的情報」「Objective data: 客観的情報」「Assessment: 評価」「Plan: 計画」の頭文字を取ったもの。
- HOPSとは外傷を記録する際の手法で「History:問診」「Observation:視診」「Palpation: 触診」「Special test:整形外科的テスト 」の頭文字を取ったもの。
- トレーナーも二つの手法を用いる事で、「クライアントの悩みの明確化」「それによる課題の早期解決」「カルテのテンプレート化が可能になる」といったメリットがあります。
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