こんにちは。
パーソナルトレーナーの豊田です。
今回は「ダイエットしたい」「健康になりたい」という人が避けるべき食品について解説していきます。
- 食事を減らしているのになかなか痩せない
- ダイエットをしてみるものの、結局途中で食欲に負けてリバウンドしてしまう
- 甘いものが我慢できない
- 健康診断の数値が年々悪化している
こうした悩みをお持ちの方は、これからご紹介する食品の摂取量を減らすだけでよりダイエットが円滑に進み、より身体が健康的になっていくことでしょう。
ぜひ参考にしてみて頂けたら幸いです。
Contents
ダイエットを円滑にする、健康になるために減らすべき食品
小麦
○食品
パン、パスタ、ピザ、うどん、ラーメンなど
○減らすべき理由
・血糖値を急上昇させる「アミロペクチンA」が多く含まれている
小麦の主たる成分は、糖(グルコース)が複数繋がった「でんぷん」です。
でんぷんは、その結合の仕方で「アミロース」と「アミロペクチン」に分けられ、さらにアミロペクチンは「アミロペクチンA」「アミロペクチンB」「アミロペクチンC」の3種類に分けられます。
小麦に多く含まれるのはアミロペクチンAで、これはアミロペクチン3種類の中で最も吸収が早く、血糖値を上昇させやすいです。
高血糖の状態が続くと、たんぱく質と糖質が結びついた終末糖化産物(AGE)を発生させます。AGEはしわやたるみを増やし、老化を促進させます。
また、血糖値の急上昇が起こると、それを下げようとインスリンが過剰に分泌されて脂肪が蓄積されやすくなったり、血糖値の乱高下を招いて食欲を増進させます。
・腸内環境を悪くする「グルテン」が含まれている
小麦には10%の程度たんぱく質が含まれますが、その約80%を占めるのが「グリアジン」と「グルテニン」です。これらのたんぱく質は、水を加えて混ぜ合わせることで「グルテン」になります。
グルテンの摂取によって小腸粘膜が炎症を起こしてしまい、下痢、腹部膨満感、過敏性腸症候群、大腸癌、疲労感などに繋がってしまう人たちがいます。
こうした症状を「セリアック病」と呼びます。
日本人では約1%(100人に1人程度)ですが、食の欧米化によって徐々にその数が増えてきています。
・食欲・中毒性を増進させる「エクソルフィン」に分解される
小麦に含まれるグリアジンは、体内で「エクソルフィン」というオピオイドペプチド(アミノ酸が複数繋がったもの)に分解されます。
エクソルフィンは、脳にあるオピオイド受容体という所に結合することで、モルヒネやアヘンに似た快楽感をもたらすことが分かっています。
この刺激が中毒作用をもたらし、小麦を摂取すればするほど「もっと食べたい」という欲求が出てきてしまうのです。
○代替食品
玄米パン、十割蕎麦、えんどう豆パスタなど
乳製品
○食品
牛乳、ヨーグルト、チーズなど
○減らすべき理由
・お腹を下しやすい
日本人の多くが、牛乳に含まれる「乳糖(ラクトース)」を分解する「ラクターゼ」という酵素を持っていません。
離乳とともに日本人の約80%がラクターゼを分泌しなくなるため、乳製品摂取によって消化不良での腹部膨満感や痛み、下痢など様々な悪影響が起こります。
・腸内環境を悪くする「カゼイン」が含まれている
牛乳に含まれる「カゼイン」は、体内でアレルギー反応を引き起こしやすいたんぱく質です。
日本人のアレルギー要因割合では、牛乳は卵に次いで2番目に多い21.8%となっています。
・カルシウムとマグネシウムのバランスが悪い
カルシウムとマグネシウムの比率を「カルマグ比」と言いますが、体内でのカルマグ比の理想値は1.5〜2:1です。
マグネシウムの摂取不足、カルシウムの摂取過剰によってカルマグ比が崩れることで、体内で様々な問題を引き起こすことが分かってきています。
牛乳のカルマグ比は10:1で、摂取することでカルシウム過剰になりやすいです。体内でカルシウムが過剰になると、骨を溶かしてカルシウムを体外へ排出する脱灰という反応が高まることが分かっています。
そのため、牛乳を摂取すること骨粗鬆症が進んでしまうのです。
昔から「カルシウムを摂るなら牛乳」というイメージが強いですが、実際に牛乳の消費量が世界一多いノルウェー人の骨折率は、日本人の5倍あります。
・乳がんリスクの上昇
2020年2月、オックスフォード大学出版局発行のInternational Journal of Epidemiologyに、北米の女性約53,000人(がんの罹患なし)を9年間に渡って調査した研究が掲載されました。
(Dairy, soy, and risk of breast cancer: those confounded milks)
これによると、乳製品(特に牛乳)の消費と乳がんのリスクとの間には、重要な正の関連性が見られるとのことでした。
1日当たり1/4/~1/3カップの乳製品摂取で乳がんリスクが30%程度増加、1日1杯摂取で50%まで増加、1日に2~3杯摂取すると70~80%増加したとのことです。
牛乳にはIGF-1(インスリン様成長因子)が含まれます。IGF-1は細胞の増殖を促すポリペプチドですが、がん細胞にも同様のことが言え、これによって乳がんのリスクを増大させるようです。
また論文の中では、現代の乳製品で牛乳を提供している乳牛の約75%は妊娠しており、よって女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を含んでいるとされています。これが乳がんリスクを増大させる要因となっている様です。
また、乳製品からの女性ホルモン摂取は男性の生殖機能への影響も示唆されているため、なるべく控えるのが吉と言えそうです。
○代替食品
こくりーむ、豆乳ヨーグルト、アーモンドミルク、無調整豆乳など
アルコール
○食品
ビール、焼酎、ワイン、日本酒など
○減らすべき理由
・発がんリスクが明確に示されている
アルコールは、国際がん研究機関(IARC)によって、最も発がんリスクの高いグループに分類されています。
日本人の死因ランキング1位は悪性新生物(がん)であり、毎年約3人に1人が、がんによって亡くなっています。
このリスクを最も高めるものがアルコールなのです。限りなく0に近づけることが好ましいです。
・体脂肪を蓄えやすくする
アルコールは人体にとって有害な物質のため、身体は真っ先に解毒して排出しようとします。
アルコールは「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸→水、二酸化炭素」という順番に分解、代謝されていきますが、この過程でビタミンB群、ビタミンC、ナイアシン、亜鉛、マグネシウム、水といった栄養素が大量に消費されてしまいます。
これによって、同タイミングで摂取したその他の栄養素の代謝が鈍化してしまいます。
また、解毒機関である肝臓が疲弊して基礎代謝が低下してしまうほか、体脂肪を燃焼するための「β酸化」という反応もストップさせてしまいます。
・食欲を増進させてしまう
アルコールを摂取することで、満腹感を感じさせるホルモンである「レプチン」の分泌が抑えられることが分かっています。
飲み会でいつもよりたくさん食べてしまうのはこの作用によるものが大きいです。
・筋肉の分解を勧めてしまう
アルコールを摂取すると「コルチゾール」というホルモンの分泌が高まります。コルチゾールはストレスに対抗するために大事なホルモンですが、過剰摂取が起きると筋肉の分解を進めてしまいます。
これによって代謝が低下し、太りやすい身体になってしまいます。
○代替食品
なし。アルコールを控えるのが理想。
どうしても摂取しなければならない場合は、アルコールやアセトアルデヒドを分解する酵素の材料になる「ナイアシン」「亜鉛」、分解の反応を助ける「ビタミンB群」「ビタミンC」「マグネシウム」「水」、肝臓の働きを助ける「タウリン」などを積極的に摂取しましょう。
キノコ類、牡蠣、煮干し、アーモンド、玄米、納豆、枝豆、干し海老、ピーマン、ブロッコリー、たこ、イカ、など
砂糖(または白い炭水化物)
○食品
白砂糖、黒糖、グラニュー糖、お菓子、白米、うどん、食パンなど
○減らすべき理由
・血糖値の急上昇を招く
砂糖は糖質の中でも吸収の早い「二糖類」に分類され、非常に血糖値を上げやすいです。これによってインスリンが大量に分泌され、体脂肪を蓄えやすい状態になります。
また、血糖値の乱高下によって血管に負担がかかったり、インスリンを分泌する膵臓にも負担がかかります。
・老化の原因になる
砂糖摂取によって血糖値が急上昇すると、体内のたんぱく質と結びついて終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End Products)が産生されます。これが身体の老化を招いてしまいます。
・疲労感が増大する
砂糖や白い炭水化物(うどん、パン、白米など)を摂取すると、体内で糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が大量に消費されます。
玄米や十割蕎麦など、ビタミンB群を含む食品であれば、食品に含まれるビタミンB1が使われるので体内のビタミンB1を大量消費せずに済みます。
しかし砂糖はビタミンをほとんど含まないため、エネルギー代謝を助けるビタミンB1が大量に使われ、身体の疲労感に繋がってしまいます。
・中毒性がある
砂糖の摂取によって、幸福感や快楽を感じさせるドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質の分泌が高まります。
これによって「砂糖を摂取すると心が満たされる」という情報がインプットされてしまい、より多くの砂糖摂取を求める様になってしまいます。
○代替食品
はちみつ、アガベシロップ、みりん、羅漢果、玄米、十割蕎麦、オートミールなど
加工肉
○食品
ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミなど
○減らすべき理由
・発がんリスクが明確に示されている
加工肉はアルコールと同様に、国際がん研究機関によって最も発がんリスクの高いグループに分類されています。
加工肉は特に大腸がんとの関連性が高いことが分かっています。
国立がん研究センターは「女性では毎日赤肉を80グラム以上食べるグループで結腸がんのリスクが高くなる」としています。
ハムやソーセージなどの加工肉は、良い色を保つために「亜硝酸ナトリウム」という添加物が使われます。
これは豚肉に含まれるミオグロビンなどに反応して赤い色素を作り出す働きがあり、これによって美味しそうな色を保つことができているのです。
しかしこの亜硝酸ナトリウムは、肉に含まれるアミンという物質にも反応します。
それによって「ニトロソアミン類」という物質が生じてしまいますが、このニトロソアミン類に強い発がん性があるのです。
○代替食品
鶏肉、魚介類、大豆
赤身肉
○食品
牛肉、豚肉、ラム肉、馬肉
○減らすべき理由
・発がんリスクが高い
赤身肉(牛、豚、馬、羊)は、国際がん研究機関によって2番目に発がんリスクの高いグループに分類されています。
・飽和脂肪酸が多い
赤身肉には、なるべく減らすべき脂肪である「飽和脂肪酸」が多く含まれます。体脂肪の増加やコレステロール増加を引き起こし、2型糖尿病や血管疾患などの生活習慣病との関連が強くあります。
・体内のpHを酸性に傾ける
動物性食品の摂取は、体内のpHバランスを酸性に傾けてしまいます。
人の体内のpHは7.35~7.45で中性に保たれているのですが、動物性食品の摂取によってこれが酸性に傾くと、
もとの値に戻そうとして「骨を分解してアルカリ性の骨を取り出す」「筋肉を分解して得られるアミノ酸から、アルカリ性のアンモニアを取り出す」といった反応を起こしてしまいます。
○代替食品
鶏肉、魚介類、大豆
揚げ物
○食品
フライ、天ぷら
○減らすべき理由
・高カロリーで太りやすい
油で揚げている食品は、栄養素として「脂質」が多くなります。エネルギー産生栄養素(三大栄養素)の炭水化物、脂質、たんぱく質の中で、脂質は最もカロリーの高い栄養素です。
これを積極的に摂取することになる揚げ物はなるべく避けるのが好ましいです。
・質の悪い油を使っている場合が多い
特に飲食店でのメニューやスーパーでの惣菜、コンビニ食品などは、コストを抑えるために質の低い油を使っているほか、何度も繰り返して使っているため、油が酸化してしまっているものが多いです。
脂質はエネルギー源になるほか、私たちの身体の細胞膜の材料にもなっています。
質の悪い油を摂取することは、身体の酸化と糖化(どちらも老化の原因)を招く要因になります。
○代替食品
オーブン、生、蒸し物、茹で物
まとめ
ここまで、ダイエットと健康のために避けるべき食品を7つご紹介してきました。
<避けるべき食品と代替食品>
- 小麦→玄米パン、十割蕎麦、えんどう豆パスタなど
- 乳製品→こくりーむ、豆乳ヨーグルト、無調整豆乳
- アルコール→なし
- 砂糖(白い炭水化物)→はちみつ、アガベシロップ、羅漢果、玄米、十割蕎麦
- 加工肉→大豆、魚介類、鶏肉
- 赤身肉→大豆、魚介類、鶏肉
- 揚げ物→オーブン、生、蒸し物、茹で物
皆様が普段から摂取している食品はありましたか?
毎日多く摂取してしまっていたという方は、少しずつ減らしていきましょう。
続けることできっとダイエットがうまく進んだり、身体の調子が良くなったり、健康診断の数値が良くなることでしょう。
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