トレーニングをしている人であれば一度はグルタミンという名前を聞いたことがあるかと思います。

サプリメントとして多くの業者から販売されているため、耳にする機会も非常に多いです。

そんなグルタミンですが、具体的に体内でどの様な働きをしているのかを解説していきたいと思います。



グルタミンとは何か

アミノ酸の一種で、体内でも合成が可能なため非必須アミノ酸に分類されます。

必須アミノ酸・・・体内で合成できないので食事から摂取が必要

非必須アミノ酸・・・体内で合成できる

しかし体内の遊離アミノ酸の60%を占めるといわれる他、過度なストレス下や高強度な運動の実施後、病原体の侵入時などには必要量が増し、必要量に対して体内での合成が間に合わないことがあるために準必須アミノ酸とも呼ばれます。

筋肉中にも含まれ、遊離アミノ酸中のグルタミンが使われると筋肉を分解して遊離アミノ酸として放出されます。

(※遊離アミノ酸とは、たんぱく質を構成していない、血液中や細胞中に単体で存在するアミノ酸のことです。)

体内でのグルタミンの働き

免疫力向上

グルタミンには免疫細胞の働きを活性化させる作用があります。

人の体内に病原体が侵入するのを防ぐ際、もしくは侵入した病原体を撃退したり、損傷した部位を回復する際、

リンパ球、マクロファージ、好中球といった免疫細胞の働きが必要となります。

グルタミンは、これら免疫細胞や繊維芽細胞(組織の構成要素)の働きを助ける作用があり、また腸管バリアの維持にも効果を発揮します。

 

また、小腸のエネルギー源となり、摂取した栄養素の吸収を助ける役割もあります。

こうした働きにより免疫力の向上に役立つとされています。

 

血液中における窒素の運搬

グルタミンは2つの窒素原子を含んでいます。これはアミノ酸の中で最も多く、これにより窒素を運搬するという役割を担っています。

窒素はヒトの細胞の約5%を占め、タンパク質や核酸、色素、ビタミンなどを構成します。

 

m-TORの活性化

グルタミンがm-TORの活性化を高めるという研究結果があります。

(参考:Bidirectional Transport of Amino Acids Regulates mTOR and Autophagy)

 

m-TORとはmechanistic target of rapamycinと呼ばれる、たんぱく質キナーゼの一種です(キナーゼ=リン酸化酵素の総称)。

たんぱく質の合成は、細胞内のリボソームと呼ばれる工場のような場所で行われるのですが、m-TORはこのリボソームの働きを活性化させる作用があります。

つまりm-TORの活性化が強まることで、リボソームの働きも高まり、たんぱく質の合成量が増えるという事ですね。

(グルタミンでm-TORが活性化されますが、最も効果が高いのはBCAAであるロイシンの様です。)

また、体内においてたんぱく質は、常に分解と合成を繰り返しています。

筋肉中にもたんぱく質は豊富に含まれてますから、分解が合成を上回れば筋肉量が減少し、合成が分解を上回れば筋肉量は増えるという事になります。

グルタミンは筋合成にも効果があるといえるでしょう。

 

オートファジーの抑制

グルタミンはm-TORの活性化に加えて、オートファジーを抑制するという作用もあります。

(参考:Bidirectional Transport of Amino Acids Regulates mTOR and Autophagy)

 

オートファジーとは細胞自体が持っている、細胞内のたんぱく質を分解する作用の1つで自食作用とも呼ばれます。

(他にはユビキチン・プロテアソーム系と呼ばれるたんぱく質分解作用があります。オートファジーは丸ごと分解、ユビキチン・プロテアソーム系は対象のたんぱく質を選択的に分解する)

過剰なたんぱく質の蓄積を防いだり、飢餓状態におけるアミノ酸生成のためなどにその効果を発揮します。

しかし同時に筋分解にも繋がるため、トレーニングで筋肉量を増やす上では抑えていきたい作用です。

グルタミンの枯渇状態を減らすことは、この筋分解抑制効果を期待できます。

 

摂取量について

マラソンランナーを対象にしたある研究で、2時間のレース開始直前と直後にグルタミンを5g摂取した群と、全く摂取していない群(プラセボ)での、レース後7日間の上気道感染(かぜ)率を調べました。

両グループでレース後の感染率は増加しましたが、5gのグルタミン摂取グループでは発症率が40%ほど低かったようです。

(Castell LM, Poortmans JR, Newsholme EA Does glutamine have a role in reducing infections in athletes? Eur J Appl Physiol Occup Physiol. 1996;73:488–90.)

 

別の研究では、0.1g/kg(〜7g)のグルタミンを摂取した場合、30分以内に血中のグルタミン濃度を約50%増加させ、その後90〜120分以内に元の数値に戻ったことを示しました。

(Ziegler TR, Benfell K, Smith RJ, Young LS, Brown E, Ferrari-Baliviera E, Lowe DK, Wilmore DW Safety and metabolic effects of L-glutamine administration in humans. JPEN J Parenter Enteral Nutr. 1990;14:137S–46S.)

1回5~7gを90分に1回摂取する

したがって1回の摂取量は5~7gにし、90分程度の運動であれば運動前と運動後、

数時間に及ぶような運動をする際には上記に加え、90分毎に摂取すると良いかもしれません。

まとめ

  • グルタミンは体内で合成できる非必須アミノ酸の1種だが、ストレス下などにおいてその必要性が増すため、準必須アミノ酸とも呼ばれる.
  • グルタミンの役割としては主に免疫力の向上、筋分解の抑制がある。
  • 1回の摂取量は5~7g程度
  • 摂取間隔は90分置き(運動時)
  • Glutamine Alimentation in Catabolic State The Journal of Nutrition, Volume 131, Issue 9, 1 September 2001
  • Bidirectional Transport of Amino Acids Regulates mTOR and Autophagy Received 30 May 2008, Revised 4 October 2008, Accepted 21 November 2008, Available online 5 February 2009.
  • Dosing and Efficacy of Glutamine Supplementation in Human Exercise and Sport Training The Journal of Nutrition, Volume 138, Issue 10, 1 October 2008, Pages 2045S–2049S,



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