男性と女性では身体の働きが大きく変わりますが、その中でも特徴的な違いの一つが月経周期の有無です。
女性の身体は妊娠、出産という大きな仕事を成すために、28日間のという短い期間で大きく身体が変化していきます。
そこに合わせて栄養管理、身体のケア、運動の選択が必要になってきます。
今回はそんな女性の月経周期に合わせた運動、栄養管理、ダイエットについて簡単にですが解説していきたいと思います。
Contents
月経周期とは
月経は平均して11~14歳から始まり、40~54歳の閉経を迎えるまで続きます(通常3~5日間)。
月経が起こってから次の月経が始まる前日までを月経周期と呼び、これは平均すると25~38日の周期となります。
月経周期には「月経期」、「卵胞期」、「排卵期」、「黄体期」の4段階の周期があります。
月経周期が24日以内の場合を頻発月経、39日以上の場合を稀発月経と呼びます。
女性ホルモン
エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という2つのホルモンを女性ホルモンと呼びます。
この2つのホルモンの分泌によって、月経の周期はコントロールされています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
エストロゲン
エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれる、エストロン (E1)、エストラジオール (E2)、エストリオール (E3)というステロイドホルモンの総称です。
卵巣、胎盤、副腎皮質、精巣(女性と比べると少ないが男性でも生成される)で生成され、女性らしさを作り出すホルモンです。
- 乳腺細胞の増殖
- 排卵のコントロール
- 脂質代謝のコントロール
- 肌の潤いを保つ
- 女性らしさを保つ
- 血液の凝固作用
- 基礎体温を下げる
- 妊娠に備えて子宮内膜を厚くする
- LDLの減少とVLDL・HDLの増加による動脈硬化抑制
- 精神を安定させる
などの作用があります。
健康な状態であれば、分泌は閉経まで一定レベルに保たれます。
プロゲステロン
プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれ、妊娠の準備を始めて月経周期をコントロールするホルモンです。
卵巣の黄体で合成されます。
- 基礎体温の上昇
- 食欲の増進
- 妊娠後に妊娠を継続させる
- 精神の不安定化(イライラ、憂鬱など)
- 受精卵を子宮に着床しやすくする
- 水分代謝の影響によるむくみ、体重増加、尿量の低下
などの作用があります。
エストロゲンの分泌が閉経まで一定なのに対し、プロゲステロンは30代に入ると減少を始め、加齢に伴って徐々に低下します。
これに伴って黄体期の基礎体温も低下していきます。
月経期(月経初日~5日目)
子宮内膜を体外に排出するために出血が起こります。この出血が始まった日を月経1日目とします。
特徴
- プロゲステロンが低下してエストロゲンの分泌が高まります。これにより基礎対応が低下するので、入浴や栄養補給を行い血行不良や冷え性に注意します。
- 血液を排出するため、排出量が多いと貧血が起こる可能性があります。
- 生理痛、吐き気、頭痛などの体調不良が起こる可能性があります。
- 子宮を収縮させるためにプロスタグランジンというホルモンが分泌されますが、この分泌が過剰になると生理痛の原因にもなります。
運動
月経期からピークの卵胞期にかけて、プロゲステロンが低下してエストロゲンの分泌量が増えていきます。
そのため運動するには良い期間ですが、卵胞期と比べるとエストロゲンの分泌量が少なく、生理痛などの影響もあるため様子を見ながらできる範囲の運動を心掛けます。
体調に問題がなければ中強度の筋力トレーニング、有酸素運動を行い、難しい場合はストレッチやヨガ、ウォーキングなど負荷の軽い運動を行います。
食事
摂取したい栄養素
- オメガ3脂肪酸→子宮の過度な収縮を抑える、炎症を抑える(マグロ、イワシ、ブリ、サバ、サンマなどの青魚類)
- 鉄分→貧血の予防(レバー、切り干し大根、卵、パセリなど)
- たんぱく質→貧血の予防(肉類、卵、魚、大豆など)
- ビタミンE→抗酸化、身体を温める(アーモンド、唐辛子、モロヘイヤ、落花生など)
- ビタミンC→鉄分の吸収を助ける(赤ピーマン、パセリ、ゆず、レモン、モロヘイヤ、ブロッコリーなど)
- ビタミンB12→造血作用(しじみ、レバー、あさりなど)
- 葉酸→造血作用(レバー、鰻、いわし、枝豆、モロヘイヤなど)
卵胞期(月経初日から6~14日目)
月経初日から6~14日目くらいまでの期間を卵胞期と呼びます。
卵巣内では卵子の元となる数個~数十個の卵胞が成長し、その内の1つが成熟する時期となります(他は退化)。
特徴
- エストロゲンの分泌量がピークになり、体調や精神状態も安定しているため、最も運動に適している期間となります。
- 肌や髪へ潤いが与えられ、女性としての美しさが増します。
- ホルモンバランスが整いやすく、気持ちが前向きになったり、食欲のコントロールなどもしやすくなります。
運動
この時期が最も体調も良く運動に適した期間なので、ある程度強度の高い運動を行いましょう。筋力トレーニングも積極的に取り入れていきます。
大筋群を刺激するトレーニングを行い、筋量、代謝の向上を図ります。
食事
- たんぱく質→筋量の維持、代謝の向上、身体を作る(肉類、卵、魚、大豆など)
- ビタミンE→抗酸化、身体を温める(アーモンド、唐辛子、モロヘイヤ、落花生など)
- ビタミンC→抗酸化、身体を温める(赤ピーマン、パセリ、ゆず、レモン、モロヘイヤ、ブロッコリーなど)
排卵期(月経初日から15~21日目)
成熟した卵子が卵巣から排出される時期です。
特徴
- エストロゲンの分泌量が低下してプロゲステロンが分泌され始めます。この影響で徐々に水分や栄養を体内へ吸収しやすくなります。
- 子宮内膜が厚くなり、下腹部に痛みを感じることがあります。
- 栄養の吸収が高まるため、脂肪の燃焼がしにくくなります。
- ホルモンバランスが乱れやすく、肌荒れや精神の不安定化などが起こりやすくなります。
運動
徐々に体調や精神の不安定化が起こってくるので、運動は体調を見ながら行いましょう。
体調がすぐれない場合はヨガやストレッチなどを中心とした低強度の運動を行います。
体調に全く問題がなければ筋力トレーニングなどを行います。
食事
エストロゲンの分泌量が低下してホルモンバランスが乱れるため、エストロゲンと似た作用を持つ栄養素を摂取します。
- イソフラボン→エストロゲンに似た働きを持ち、排卵期、黄体期の体調不良を和らげる(納豆、豆腐、油揚げ、豆乳、きな粉、味噌など)
- マグネシウム→セロトニンの分泌を促してストレス、食欲緩和(アーモンド、海藻類、ほうれん草、玄米など)
- ビタミンB6→セロトニンの分泌を促してストレス、食欲緩和(にんにく、まぐろ、レバー、大豆、かつお、いわしなど)
黄体期(月経初日から22~28日目)
排卵~月経までの期間です。
プロゲステロンがピークに達し、浮腫みや体重増加が起こりやすい時期です。
精神的にも不安定になりやすいため、リラックスすることを心掛けましょう。
特徴
- 水分を蓄えて浮腫みやすい時期です。
- ホルモンバランスが乱れ、自律神経のバランスも乱れるため、精神的に不安定になりやすいです。
- 食欲が増進して過食になりやすいです。
- 睡眠のリズムが崩れ、疲れやすくなります。
運動
プロゲステロンの影響で体液の循環が落ちており、体脂肪を燃焼しにくい時期です。
また、体調不良にもなりやすいため、強度の高い運動はなるべく控える様にします。
しかし、適度に身体を動かすことはセロトニンを分泌させて精神を安定させることにも繋がるため、軽めの有酸素運動、ストレッチ、ヨガなどを無理のない範囲で行います。
食事
- イソフラボン→エストロゲンに似た働きを持ち、排卵期、黄体期の体調不良を和らげる(納豆、豆腐、油揚げ、豆乳、きな粉、味噌など)
- マグネシウム→セロトニンの分泌を促してストレス、食欲緩和(アーモンド、海藻類、ほうれん草、玄米など)
- ビタミンB6→セロトニンの分泌を促してストレス、食欲緩和(にんにく、まぐろ、レバー、大豆、かつお、いわしなど)
- カリウム→ナトリウムのバランスを調節してむくみの解消(イモ類、アーモンド、納豆、ほうれん草、小松菜、切り干し大根、唐辛子、するめなど)
まとめ
期間 | ホルモン | 運動 | 栄養 | |
月経期 | 1~5日目 | エストロゲン↗ プロゲステロン↘ | 中強度 | オメガ3、鉄分、ビタミンC、E、B12、葉酸 |
卵胞期 | 6~14日目 | エストロゲン↑ プロゲステロン↓ | 高強度 | たんぱく質、ビタミンC、E |
排卵期 | 15~21日目 | エストロゲン↘ プロゲステロン↗ | 低~中強度 | イソフラボン、マグネシウム、ビタミンB6 |
黄体期 | 22~28日目 | エストロゲン↓ プロゲステロン↑ | 低強度 | イソフラボン、マグネシウム、ビタミンB6、カリウム |
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