こんにちは!

今回は「睡眠時間と肥満がどう関係するのか」という点について、論文での研究結果をもとにご紹介していきたいと思います。

一般的に、睡眠時間は短いほど肥満になりやすいという傾向があるのは言われていますよね。

忙しくて睡眠時間が取れていなかった人が、意識的に睡眠を取るようにしてから体重が減り始めたというのはよくある話です。

では具体的に

  • どれくらい寝れば良いのか?
  • どういった事が原因で睡眠時間の短さが肥満に繋がるのか?

これらを解説していきたいと思います。

 



睡眠時間と肥満の関係

今回は、カナダのケベック州で行われた下記の研究論文を参考にします。

参考論文:『The Association Between Sleep Duration and Weight Gain in Adults: A 6-Year Prospective Study from the Quebec Family Study
Jean-Philippe Chaput, MSc1; Jean-Pierre Després, PhD2; Claude Bouchard, PhD3; Angelo Tremblay, PhD1,4

研究目的:睡眠時間とその後の体重および体脂肪増加との関係を調査すること。
研究方法:21歳から64歳までの成人276名を6年間に渡って調査。
自己申告してもらった睡眠時間により参加者を短時間睡眠(5〜6時間)平均時間睡眠(7〜8時間)長時間睡眠(9〜10時間)の3グループに分け、体組成の測定と肥満度指数の変化を測定した。

睡眠時間が短すぎる人も長すぎる人も肥満の傾向が高かった

6年に渡る調査の結果、短期間睡眠(5〜6時間)、標準睡眠(7〜8時間)、長期睡眠(9〜10時間)の3グループでは、下記の様に体組成が変化しました。

これを見ると、標準睡眠と比較して短期間睡眠と長期睡眠では体重・ウエスト周り・体脂肪全てにおいて増加傾向にあります。

睡眠は短すぎても長すぎても良くないというのは感覚的に分かりますが、この様にデータとして改めて見るとその影響度が分かります。

個人差はあると思いますが、一般的に言われる通り、肥満を最小限に抑えるための睡眠時間は7~8時間が良さそうです。

 

また、日本人を対象とした研究でも同様の結果が得られています。

ある地域の男性の1999年と2006年の健康診断のデータを比較した際、

睡眠時間が5時間未満だった人は、5時間以上の人と比較して1.36倍も肥満になるリスクが高かったとのことです。

統計データでは睡眠時間の最適解は7~8時間

上記の通り、睡眠時間は短すぎても長すぎても肥満に繋がることが分かります。

あくまで個人差はありますが、多くの人を対象とした研究結果の統計結果で7~8時間の睡眠が最も肥満リスクが低いというデータがあるので、まずはこの時間の睡眠を続けるべきだと思います。

そこから人によって調整していくのが良いでしょう。

食事管理、運動が適正にも関わらず痩せないという人は睡眠時間をチェックしてみてください。

睡眠時間の短さが肥満に繋がる理由とは?

睡眠時間が肥満に影響を及ぼすことはわかりました。

では具体的に睡眠時間が違うと体内でどんな事が起こって肥満に影響を与えるのでしょうか?

活動時間が長いため食べ物を口にする時間が長くなりやすい

睡眠時間が短くなると、単純に覚醒時間が長くなることになります。

これにより食事を摂取する機会が増え、摂取カロリー過多に繋がりやすいとされております。

また、睡眠による疲労回復ができていないため、日中に疲労が出て、その疲労を回復する目的でエナジードリンクや高カロリー食を摂取する傾向が高いそうです。

体重の増減は基本的に消費カロリーと摂取カロリーの収支で決まるため、これが肥満に繋がる要因ともなるのです。

コルチゾールの増加

コルチゾールは副腎皮質から分泌ホルモンで、ストレスレベルの増加によってその分泌が高まります。

コルチゾールの増加は食欲の増進、内臓脂肪の蓄積とも関連が強いとされるため、肥満に繋がると言えるでしょう。

また、コルチゾールはたんぱく質の合成を減少、分解を促進させる作用を持ちます。

これにより筋肉の分解が進み、結果的に消費カロリーの減少をも招きます。

 

レプチンの減少・グレリンの増加

レプチンは食欲を抑えるホルモンで、グレリンは食欲を増進させるホルモンです。

短時間の睡眠下ではレプチンが減少し、グレリンが増加することが分かっています。

これによって食欲が増進し、カロリー収支がプラスとなってしまい体重の増加に繋がるのです。

参考:『肥満症と睡眠障害』大井 元晴1) 陳 和夫2)

(おまけ)肥満状態ではインスリン抵抗性を増進させる

インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉などでインスリンの作用が正常に働かなくなってしまう状態を言います。

本来は糖分などを摂取して血糖値が高くなった時に、膵臓からインスリンが分泌され、肝臓や筋肉に糖を取り込むことによって血糖値を正常に保ちます。

肥満状態ではこのインスリン抵抗性が増進するため、インスリン本来の機能が働かなくなってしまいます。

そのため血糖値を正常に戻すことができす、高血糖状態が続いてしまうのです。

これが糖尿病です。

肥満者に糖尿病が多いのは、肥満になったことによりインスリン抵抗性が増進したことが主な原因となります。

睡眠の質を高めるために

短時間睡眠が肥満に影響を与えるというのは上記の通りです。

では、改善のために具体的にできることにはどんなものがあるでしょうか?

短時間睡眠になってしまっている原因を探る

ある研究によると、短時間睡眠に繋がる可能性の高い因子として

  • 喫煙習慣
  • 飲酒
  • 運動不足
  • 長時間のテレビ視聴
  • シフトワーク
  • 長時間労働
  • 通勤時間の長さ

が挙げられる様です。

まずはこうした因子を一つずつ排除することから始めるべきと言えそうです。

参考:『肥満症と睡眠障害』大井 元晴1) 陳 和夫2)

メラトニンを分泌させる

私たちの体内には、活動と休養を司る体内時計と呼ばれるものが存在しているのですが、

これを概日リズム(がいじつりずむ)=サーカディアンリズム(circadian rhythm)と呼び、24(~25)時間のリズムを刻んでいます。

メラトニンは脳の松果体という所から分泌され、この概日リズムをコントロールするホルモンです。

メラトニンが分泌されると人は眠気を感じます。夕方から夜にかけてメラトニンの分泌が活発になることによって、人は眠気を感じて夜にしっかりと眠ることができるのです。

メラトニン分泌のためには、元になるセロトニンを分泌させることがポイントです。

セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から作られるので、これを含む食材を摂取しましょう。

  • 牛乳
  • チーズ
  • 大豆製品
  • バナナ
  • アボカド
  • ナッツ類
  • かつお
  • まぐろ
  • 肉類

更に詳しくは下記の記事を参照ください。

 

まとめ

  • 睡眠時間と肥満には大きな関連がある
  • 睡眠時間は短すぎも長すぎも肥満に繋がる。適正時間は7~8時間
  • 短時間睡眠が肥満に繋がる要因としては、「活動時間増加による食事摂取機会の増加」、「レプチンの減少とグレリンの増加による食欲増進」、「コルチゾール増加による食欲増進と筋分解」
  • 短時間睡眠を改善させるためには「因子の排除」「メラトニンの分泌」がカギ

 



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