こんにちは。
今回は、トレーニングを始めたばかりの方からよく聞かれる、
「筋肉を付けるためには一度脂肪を付ける必要があるのか?」
という疑問に対して解説してきたいと思います。
これについては本当に多くの方が誤解をされているのですが、
結論から言ってしまうと、筋肉を付けたいと思った時に、意図的に脂肪を付ける必要は全くありません。
細身の人が筋肉を付けたいからと言って、一度肥満体型になる必要はないという事です。
トレーニングの目的は「いかに脂肪を減らして筋肉量を増やしてくか」です。
わざわざ無駄な脂肪を付ける必要はありません。
しかし筋肉を付けようとした結果、多少の脂肪が付いてしまうという事はあります。
それはどういう事なのでしょうか?
Contents
筋肉の合成を高めるためには、「消費カロリー<摂取カロリー」の状態が必須
筋肉は、一日の中で常に分解(カタボリック:異化)と合成(アナボリック:同化)を繰り返しています。
合成が分解を上回れば筋肉は増え、
分解が合成を上回れば筋肉は減少します。
つまり、いかに‘‘筋肉の合成を増やして、分解を減らすか‘‘が重要になってくるのです。
まずはどういった場合に筋肉の合成・分解が起こるのかを見てみましょう。
筋肉の分解が進んでしまう条件
血中のアミノ酸濃度が低い状態
アミノ酸とは、たんぱく質が分解されたものです。
アミノ酸は糖質や脂質と違い、体内で長時間保存することができないので、こまめにたんぱく質の多い食品を摂取する必要があります。
食事からたんぱく質が摂取できず、血中のアミノ酸濃度が低い状態が続くと、人は筋肉を分解してアミノ酸を作ることで濃度を保とうとしてしまいます。
飢餓状態
上記と似ているのですが、人は活動の際のエネルギーを食事によって蓄えています。
しかし朝食を抜いたりしてエネルギー不足になると、こちらもまた筋肉を分解することによってエネルギーを作り出します。
ストレス状態
身体がストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されます。
このコルチゾールは、免疫機能の調整を行うなど人の身体に欠かせないホルモンなのですが、筋肉の分解を促進させてしまう効果もあるのです。
また、質の良い深い睡眠が取れない場合も、コルチゾールの分泌を招いてしまいます。
筋肉の合成を高めるためには
高負荷のトレーニングを行う
筋肉の合成を高めるには、効果的に筋肉に刺激を与える必要があります。
特に、8回~12回がギリギリできるような強い負荷でトレーニングを行う事で、筋肥大を効率良く狙うことができます。
血中のアミノ酸濃度を保つ
筋肉の材料となるアミノ酸は血中を通って身体へ運ばれます。
筋肉の材料にもなりますので、枯渇して濃度が低下すると筋肉の分解を招きます。
また、前述の通りアミノ酸は体内で長時間保存することができないので、こまめにたんぱく質の多い食品を摂取する必要があります。
消費カロリー<摂取カロリーにする
摂取カロリーが消費カロリーを上回っていなければ、体重は増えませんし筋肉も増えません。
つまりいくらトレーニングを行っても、しっかりと食事でエネルギーを摂取しなければ筋肉は発達しないのです。
そのため、ボディビルダーや普段からトレーニングを行っている上級者は、増量期という「消費カロリー<摂取カロリー」の状態の期間を作ります(もちろんマクロ栄養素のバランスを考えた上で)。
そうすることによって、効率良く筋肉を発達させているのです。
しかし「消費カロリー<摂取カロリー」の状態では、筋肉の合成と同時に脂肪の合成も高まってしまいます。
筋肉の発達はもちろん狙えるのですが、同時にある程度の脂肪も付いてきてしまいます。
当然、なるべく脂肪を付けずに筋肉を大きくするために、食事内容も非常に細かく計算しているのですが、全く脂肪の増加を0にするというのは非常に困難です。
日ごろから非常に食事に気を遣っているボディビルダーやコンテスト出場者でも、増量期の間は若干脂肪が増えたりします。
そのため一般の方は、この増量期間中のボディビルダーやトレーニーを見て、「筋肉を付けるためには一度太って脂肪を付ける必要があるんだ!」と勘違いしてしまうのです。
しかし意図的に脂肪を付けているのではなく、「一番効率良く筋肉量を増やそうと努力した結果として、若干の脂肪も付いてしまう」という事なのです。
脂肪が筋肉に変わることはない
また、太っている人がトレーニングや食事改善で逞しい身体になったときに、「あの人は脂肪が筋肉に変わったんだね!」と言われたりします。
他にも「私は筋肉の材料になる脂肪がないから鍛えても意味がない」といったこともよく聞きます。
しかし、脂肪が筋肉に変わることはありません。
当然筋肉が脂肪に変わることもありません。
脂肪が筋肉に変わったのではなく、脂肪が減って筋肉が見えるようになった
脂肪は脂質からできており、筋肉はたんぱく質からできています。
この二つはそもそも違う役割を持っており、化学反応が起きてそれぞれが違う物質に変わるということはありません。
太った人の方が筋肉質になりやすいと言われる理由は、もともと持っている筋肉量の差にあります。
この様に太っている人は痩せている人に比べ、もともと筋肉量が多い場合がほとんどです。
大きな体を支えるために、日常生活でも筋肉に負荷がかかっているので、痩せている人に比べて肥大化されています。
そのため、なるべく筋肉量を維持しながらトレーニングと食事で脂肪を落としてくことで(減量期の考え方)、
隠れていた筋肉が見えるようになり、逞しい身体になるのです。
痩せている人が筋肉を付けたい場合は、トレーニングに加えて食事の見直しを
トレーニングをしているのになかなか筋肉が付かないという人は、食事を見直す必要があるかもしれません。
ボディビルダーの増量期の様に、筋肉量の増加を狙って食事をしっかりと摂取しましょう。
筋肉の合成を高める方法として下記の3つを紹介しました。
- 高負荷のトレーニングを行う
- 血中のアミノ酸濃度を保つ
- 消費カロリー<摂取カロリーにする
このうち2と3はトレーニング以外の普段の食事によるものです。
- たんぱく質を体重×2g摂取
- カロリー計算と食事の記録を付けてみる
- 空腹状態を作らない(朝食と昼食の間に1回、昼食と夕食の間に1回、プロテインバーなどの間食を摂る)
これらのことから意識してみてください。