こんにちは。
パーソナルトレーナーの豊田優也です。
今回は筋膜の繋がりであるアナトミートレインという概念から、SBL(Superficial Back Line:浅後線)をご紹介します。
筋肉をストレッチする際は、単体で伸ばすよりも筋膜の繋がりを意識して行うことで、より効果的に身体の改善が見込めます。
- ストレッチをしているけどなかなか柔軟性が出てこない
- 効果を感じられない
- 身体を伸ばすためのより効果的な方法を知りたい
- 筋膜の概念を知りたい
という方はぜひ本記事を読んで今日から実践してみてください。
筋膜とは何か
アナトミートレインは筋膜の繋がりの概念です。そのため、まずは筋膜について簡単に解説していきます。
筋膜とは、骨・靱帯・腱・内臓などを包む結合組織です。
浅層から順番に「浅筋膜」「深筋膜(筋外膜、筋周膜、筋内膜)」「漿膜下筋膜」の3つに分けられます。
浅筋膜は皮下脂肪の中にあり、深筋膜は筋肉を覆っています。また、最深層にある漿膜下筋膜は臓器を覆っています。
これからご紹介するアナトミートレインの概念では、深筋膜に分類されて筋肉を覆っている「筋筋膜」がメインとなります。
アナトミートレインの考え方
アナトミートレインは、トーマスマイヤー氏によって1990年代に提唱された理論です。
身体全体は筋肉を覆う「筋膜(深筋膜の中の「筋筋膜」を指します)によって繋がっており、その繋がりが姿勢、動作、感覚の伝達などに影響を及ぼしているという考え方です。
アナトミートレインは、その筋筋膜の繋がり方で
- カーディナルライン(基幹線)
- アームライン(腕線)
- ファンクショナルライン(機能線)
- ディープフロントライン(深前線)
の4つに大別されます。
さらにカーディナルラインは4線、アームラインは4線、ファンクショナルラインは3線、ディープフロントラインは1線の計12ラインに分類されます。
今回はその12ラインの中で、姿勢の維持に関係するSBL(Superficial Front Line:浅後線)ついて取り上げていきます。
SBL(Superficial Back Line:浅後線)
SBLは眉上弓(眉毛の上の隆起)から足裏まで続く筋膜ラインです。
特徴
①立位姿勢を保持する
SBLの筋肉が正しく働くことで身体を上へと引き上げ、前屈みになるのを防いでくれています。
姿勢の維持に関わるので、重力に逆らって姿勢を維持する「抗重力筋」が多く付属しているのもSBLの特徴です。
こちらの記事もおすすめ:正しい姿勢を維持するために抗重力筋を鍛えよう
②生理的弯曲を作る
生理的弯曲は、脊柱のS字カーブのことです。
生理的弯曲には、一次湾曲(Primary curve)と二次湾曲(Secondary curve)の2種類があります。
・一次湾曲(Primary curve)
一次弯曲は胎児の頃からある骨の後弯のことです。頭部(頭頂骨+後頭部)、背部(胸椎)、臀部(仙椎+尾椎)、踵(踵骨)の4つがあります。
・二次湾曲(Secondary curve)
二次弯曲は筋肉の作用による前弯がのことです。後頚部(頚椎)・腰部(腰椎)・足底(足弓)の3つがあります。
③目の動きとの関連
SBLに含まれる後頭下筋群は、大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の総称です。
これらは首の動きの他、目の動きとも連動して働く筋肉のため、緊張して固まると眼精疲労などの症状が表れてきます。
そのため、姿勢不良などによってSBLの筋肉が拘縮すると、筋膜の繋がりによって後頭下筋群が拘縮して眼精疲労に繋がったり、
反対に、長時間のパソコン作業などによって眼精疲労が起きると、SBLのその他の筋へ影響を与えて姿勢不良を招いたりします。
ストレッチ
ここからストレッチをご紹介していきます。
SLR(ストレートレッグレイズ)フレックス
- 仰向けの状態から股関節を屈曲することでハムストリングスが伸ばされます。
- 膝関節を伸ばすことで下腿三頭筋が伸ばされます。
- 足関節を背屈(反らす)、足趾を伸展(反らす)することで下腿三頭筋と足底が伸ばされます。
- 体幹を屈曲(丸める)、頸椎を屈曲(丸める)することで脊柱起立筋が伸ばされます。
1〜4を行うことで、単一の筋肉ではなくSBL全体の筋膜ラインが伸ばされます。
また、この動作はSFL(スーパーフィシャルフロントライン:浅前線)のトレーニングにもなります。
トレーニング
バックアーチ
うつ伏せの状態から身体を反らすことで、脊柱起立筋、ハムストリングスなどSBLに属する筋肉を同時に鍛えることができます。
○開始姿勢:うつ伏せの状態になり、両腕を体側に伸ばします。
◯動作方法(身体の各部位に順番に力を入れ、身体を反らします)
1.尿道、肛門を引き締めて骨盤底筋群に軽く力を入れます。
2.お尻を締めて大殿筋に力を入れます。
3.両脚の内腿同士を付けて内転筋群に力を入れます。
4.両膝を地面から浮かせてハムストリングに力を入れます。
5.胸を地面から離して脊柱起立筋に力を入れます。
6.腕を外捻りして肩甲骨を寄せ、僧帽筋、菱形筋に力を入れます。
7.可能な限り胸と膝を地面から離して身体を反らせてキープします。
8.上半身、下半身の順番に力を抜いて開始姿勢に戻ります。
終わりに
今回はアナトミートレイン12ライン中の、基幹線4ラインに属する中のSBL(スーパーフィシャルバックライン:浅後線)について解説してきました。
属する筋肉、筋膜の流れ、ストレッチ&トレーニング方法を理解することで、より身体の機能を高めることができてきます。
今回の内容はYouTubeでも解説していますので、興味のある方は見て頂けたら幸いです。
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