筋力:筋肉の力。
筋力とは筋肉が発揮する力のことで、強ければスポーツ競技などの種目でパワーを発揮する際に大きく役に立ちます。
(「パワー=筋力×速度」のため)
では、筋力を決める要因とは何なのでしょうか?
それは、下記の3つとなります。
- 筋肉中に占めるFT(速筋)繊維の割合
- 筋横断面積
- 神経伝達機能
それぞれ見てきましょう。
筋肉中に占めるFT(速筋)繊維の割合
筋肉には大きく分けると速筋繊維(タイプⅡ)と遅筋繊維(タイプⅠ)の2つ(中間筋を含めると3つ)の繊維があります。
このうち特に肥大しやすく、大きな力を発揮するのが速筋繊維(タイプⅡ)で、筋肉に占めるこの速筋繊維の割合が高い程、大きな筋力を発揮できます。
ちなみにこの割合は遺伝によって決まるため、後天的に割合を増やすことはできません。
筋繊維の種類
<速筋繊維(FT繊維)>
速筋繊維にはさらにタイプⅡaとタイプⅡbの2種類があります。
タイプⅡb(白筋)
最も収縮速度が早く強い力を発揮するが、疲労するのも早い筋繊維です。白い色をしているため、白筋とも呼ばれます。
タイプⅡa(中間筋・ピンク筋)
白筋より力の発揮は小さいが、白筋よりも持続力があります。白筋と赤筋の中間の筋繊維でピンク筋とも呼ばれます。
<遅筋繊維(ST繊維)>
タイプⅠ繊維(赤筋)
収縮速度は遅いですが、最もスタミナのある筋繊維です。赤い色をしているため赤筋とも呼ばれます。
下記の表に、それぞれの繊維の特徴をが非常に分かりやすくまとめられています。
引用:http://nakajima-bonesetter.com/blog/post-3498
筋横断面積
筋力を決める要因の2つ目は、筋横断面積です。
これは筋肉の太さの事なので、トレーニングによって太くすることができます。
太くなりやすい、肥大しやすいのは速筋繊維のため、速筋繊維を動員させる8~12RMの強度でトレーニングすることで鍛えることができます。
神経伝達機能
筋力を決める要因の3つ目は、神経伝達機能です。
筋肉は脳からの指令(電気信号)によって動きます。
筋肉がいくら太くなっても、脳からの指令が上手く届かなければ力を発揮することができません。
同じ筋肉量でも、脳からの指令が会った時に動員される筋繊維の数に違いがあると、発揮できる力にも違いが出てきます。
一見すると小柄な人でも意外と力が強いという場合がありますが、こういった人は、脳からの指令で一度に多くの筋繊維を動員することができているのです。
神経機能は1~3RMの強度でトレーニングを行うことで強化することができます。
目的別トレーニング強度
目的 | 強度 | 回数 |
筋持久力強化 | 15RM以上 | 15回以上 |
筋肥大 | 8~12RM | 8~12回 |
神経系強化 | 1~3RM | 1~3回 |
まとめ
- 筋力とは筋肉が発揮する力のこと
- 筋力を決める要因は、筋肉中に占めるFT(速筋)繊維の割合、筋横断面積、神経伝達機能の3つ。
- 筋肉中に占めるFT(速筋)繊維の割合は遺伝によって決まっている
- 後天的に鍛えられるのは筋横断面積、神経伝達機能